私はよく、かなりタチの悪いドジをやらかします。旅行先で反対方向の新幹線に飛び乗ったり(『どんくさ子とちんたら男 』参照)、帰省した先の実家に家の鍵を置き忘れたりと、かなりめんどくさい出来事を引き起こしてしまいます。
先日も、朝家を出て、一足先に家を出ていたパパと駐車場で合流し、車でパパを職場に送り、そのままどこにも寄らないで帰ってきただけなのに、家の鍵をなくすという珍事件が発生しました。紛失場所はマンションの敷地内か車の中しか考えられないのに、どこを探しても全く見つかりません。結局、数週間経っても鍵は出てきませんでした。
パパがもう一つ鍵を持っていたので、家には入れたのですが、スペアキーを作るだけでは不安でした。私の住んでいるマンションはオートロック付きですが、だからと言って安心はできません。
考えられる最も怖いケースは、鍵をかけたときそのままにしてしまい、ドアに刺しっぱなしになっている鍵を、同じマンションの住人が持って行ってしまったというケースです。
なぜ私がこれほどまでに警戒するかというと、学生のときの体験が影響しています。
(※画像はイメージです。)
当時、学生だった私は引越しを検討していました。そのとき、物件探しを手伝ってもらっていた不動産の担当者から、江東区にある格安のマンションを勧められます。
「ここは昔、事件があったので格安なんです。私も具体的な事件の内容はわからないのですが、でも本当にいいマンションなんですよ。この金額で探しているなら、まず見つからないと思います。よかったら内見だけでもどうです?」
そう言われて私は、特に何も考えずについて行きました。
内見の結果、いまいちピンとこなかったので、新しい物件を探すために不動産屋さんに戻ると、店長が出迎えてくれました。担当が奥の部屋で書類の準備をしている間、店長が話しかけてくれたので、私は興味本位で「さっき内見したマンション、どんな事件があったんですか?」と尋ねてみました。
すると店長の顔色がサッと変わり、「担当から具体的な説明を受けてないんですか?」と言いました。私が「事件については具体的なことはわからない、とおっしゃっていました。」と答えると、店長は少し怒ったような顔つきになり、「それは大変失礼しました。こういう場合、不動産屋はきちんと説明しなければならないと決まっているので、私からちゃんとお話ししますね。」と言って事件の概要を説明してくれたのです。
店長の話を聞いて私はびっくりしました。なんとそこは、平成の神隠しと言われる恐ろしい殺人事件のあったマンションだったのです。あまりに凄惨な事件なので詳細は書きませんが(私は店長の話を聞いただけで夜眠れなくなるくらい怖かったので…)、犯人は同じマンションの住人でした。オートロックが付いていても決して安全とは言えないことが、その事件の概要と一緒に、強烈に私の記憶に残ることになりました。
私たちの暮らしているマンションに、そんな恐ろしい人が住んでいるとは思いませんが、万全を期しておいて損はありません。何より我が家には大事な大事なむーたんもいます。
悩みましたが、鍵交換をしてもらうことに決めました。
そして今朝、鍵の業者さんが来てくださいました!
インターホンが鳴ると同時に、洗濯物の山の上でくつろいでいたむーたんが飛び起きます。玄関で作業をして頂くので、むーたんが来られないようにリビングの扉を閉めてから、玄関の扉を開けました。
リビングの扉は真ん中がガラスになっているので、扉を閉めていても玄関の様子を確認できます。
おまえーーー!
入って来るなーーー!!!🐾
お姉ちゃんが追い払ってくれるかと思いきや、侵入者はすんなり中に入ってきました。
しかも、お姉ちゃんはリビングに戻ってくることなく、そのまま洗面所へと姿を消します。
パニックになったむーたんは、これでもかというくらい吠え立てていました。
本当は洗面所でお化粧をしたかったのですが、仕方ないのでリビングに戻ると、むーたんは少し落ち着いたようでした。
少し落ち着いたものの、玄関の扉が開いたり閉まったりするたびに、ハッとしたように飛び起きて状況を確認するむーたん。
ときには扉近くまで出かけていって威嚇することもあります。
鍵屋さんは手早く鍵を交換すると、帰っていきました。
鍵屋さんが帰ると、消火器点検の時と同じ、いつものパターンのやつです。
おねーちゃーん!!おいはらったよーっ!!!
ほーめーてー!
渾身のドヤ顔を繰り出します。
「ありがとね。よくがんばった!」
そういってむーたんの頭をなでなでしてあげると・・・
一瞬でとろけましたー!笑
むーたんのがんばりはともかく、これで安心して眠れそうです⭐️