一昨日は私のお誕生日でした。この年齢になって誕生日を迎えても、別に嬉しくもなんともないのですが、お誕生日が来ればおいしいごはんとケーキを食べれるし、プレゼントだってもらえます。私的には年を取る切なさを、色々もらえる喜びで乗り切るのが大人のお誕生日なのです!
だけど今年はコロナのせいで、平日の外食が難しくなりました;;
そして去年のお誕生日に連れて行ってもらった、感動的においしかった和食のお店は、なんとコロナのせいで閉店してしまいましたorz
もーーーーっ!!コロナのバカヤロウ><。
そんなこんなでお誕生日当日、パパからこんな提案がなされました。
今日はオレ、午後から出社しないといけないから、仕事帰りにデパートでケーキと美味しいお肉を買ってくるよ!おうちでしゃぶしゃぶしない?週末に美味しいごはん食べ行こうよ。
他にいいアイデアもないし、仕方ありません。
だけど・・・
お肉とケーキはパパが会社の近くのデパートで買ってきてくれますが、野菜類は自分で買いに行かないといけません。ごはんを作るのも私です。しゃぶしゃぶの準備なんてすぐにできるのですが、冒頭で述べた通り、この日の私には年を取る切なさが重く全身にのしかかっていました。
うーん、、お買い物に行くの、めんどくさいなぁ。。
作るのもすごくめんどくさいなぁ。。。
そんなことより、仕事したいなぁ。。。
「・・・そしたら私、むーたんのお散歩もいかないといけないし、ごはんも作るから、野菜はパパが帰りに買って来てよ。」
お誕生日権限を振りかざしてパパにお願いしてみると、ものすごく不機嫌そうな「あぁ?」と言う返事が返ってきました。
「おれ、仕事行った後にデパート寄らなきゃなのに、スーパーまで行ったら遅くなるじゃん。」
・・・けち。
むーたんのお散歩行った後に一回お家に帰って、それからまた買い物に出かけるのめんどくさいんだよ。
今日はお誕生日なのに。なんて意地悪なんだ…。
その後パパはちょっとむすっとした様子で「じゃあ食材リスト送っておいてよ。帰りにスーパー行ってくるから。」と言って、お家を出ていきました。
おひさまがポカポカしているうちにお散歩を済ませておこうと、私もパパが家を出た直後にむーたんとお散歩に出かけました。
・・・ちょっとわがまますぎたかな。
冷静に考えたら、別にそんな大変なことじゃないんだよね。
普段の私なら、全然行くのよ。
だけど今日は、お誕生日だからさ。
それに仕事したいんだよね…。
そんなことを考えながらお散歩に出かけたところ、むーたんは寒さからあまり乗り気ではありませんでした。最近のお散歩はいつもこんな感じです。嫌そうなむーたんを必死にその気にさせて連れ出すのは、私もちょっと億劫です。私も寒いの苦手だし。
でも、だからってお散歩に行かないと『寒がりむーたんの気まぐれ』の悲劇を繰り返すことになります。夜おうちでぬくぬく過ごすためにも、今のうちにがんばらなくっちゃ!!
寒がりむーたんの気まぐれ
寒くてテンションが上がりきらないむーたんは、いつも以上にノロノロ歩きです。お店から人が出てきたら立ち止まってガン見、奥の路地から自転車が走ってきたら立ち止まってガン見を繰り返し、お家の近くまで戻ってきたときには16時前になっていました。
時計を見て、私はぴーんと閃きました。近いうちに近所の動物病院でむーたんの爪を切ってもらおうと思っていたのですが、その病院が午後は16時からスタートなのです。
「今行けばそんなに混んでないかもしれない!むーたんを預けてその間にお買い物に行けばいいんだ!!」そう考えた私は急いでお家に戻って財布とエコバッグをとり、むーたんを抱えて動物病院へと急ぎました。「これで二度手間にならずに済むじゃないの!むーたんの爪も切れて、野菜も買えて、お散歩にも行けたんだから、もうすごい効率的!!」
しかし動物病院についた瞬間、私の計画は粉々に打ち砕かれました。
病院の外まで溢れかえる人、人、人・・・。
( ̄ロ ̄lll)
受付をしたくても、そもそも病院の中に入れません。
5分ほど待ってみましたが、全く受付できる気配がなかったので、この日は諦めて帰ることにしました。
全く、何しにきたんだろう。。
結局むーたんをお家に連れて帰って、それから買い物に行かなくてはなりません。
二度手間どころか三度手間です。
あーぁ…。
動物病院が大嫌いなむーたんは、いつものように全身全霊をかけてお家に帰ろうと足掻いているところでした。「しょうがない、今日は帰ろっか。」と声をかけて地面におろしてあげると、むーたんは飛ぶように家の方へ歩いていきます。
その必死な様子が可愛くて、思わずふふっと笑いが溢れた次の瞬間。
むーたんは急に向きを変え、家とは違う方向にずんずん歩いて行きました。
「え?むーたん、こっち行くの?お家あっちだよ?」
いつも動物病院の後、むーたんはものすごい勢いでお家に帰るのです。しかも今日はお散歩をした後なので、体力が有り余っているわけでもないはず。戸惑う私を尻目に、むーたんはどんどん進んでいきます。
お散歩中は亀のような歩みだったのに、元気に歩いてくれる姿が嬉しくて、私はむーたんが進む方向についていくことにしました。
むーたんは普段、お散歩コース以外の道はなかなか歩けません。苦手な道を、しかも自ら率先して歩くなんて、こんなこと今まで一度もなかったのです。
しばらくすると、むーたんはあるお店の前に吸い寄せられるように進んでいきました。そこは最近新しくできたスーパーでした。お店の入り口までテクテク歩いていったむーたんは、そこでクルリと振り返り、私のことをじーっと見つめるではありませんか。
・・・え?
もしかして、買い物行ってきていいの??
普段、私はむーたんを店頭で待たせたまま買い物をするようなことはしません。愛犬を外に繋いでいたらいなくなったという事件をちらほら耳にするからです。この前もノーリードでお散歩していたワンコが男性に何度も蹴られるという事件がありましたよね…。
でも、そのスーパーは入り口が全面ガラス張りで、レジや野菜売り場が入り口から近く、人の出入りも落ち着いています。むーたんに外で待っていてもらっていても、買い物の間ずっとむーたんの様子を見守ることができるのです。以前、パパと3人でお散歩に行ったとき、帰りにそのスーパーに寄って、パパとむーたんに入り口で待ってもらい、その様子を見ながら買い物をしたことがありました。
「むーたん、いいの?お姉ちゃん、お買い物してきていいの?」
むーたんはその場で立ち止まって動こうとしません。
じーっと私のことを見つめています。
「はやくいきなよ」と言ってくれているように見えます。
「ありがとう!そしたらすぐ買ってくる!!ほんとに一瞬だし、お姉ちゃんむーたんのことずっと見てるからね!!」
むーたんのリードを入り口につなぎ、私は小走りで野菜コーナーへ向かいました。
振り返るとむーたんはちゃんと私のことを目で追っています。
5秒で野菜を選び、セルフレジへ走りました。
レジからもむーたんの様子が見えます。ちゃんとこちらを向いたまま、いい子で待ってくれています。
こんなこと、今まで本当に一度だってありませんでした。きっとむーたんが私にくれた、誕生日プレゼントだったのでしょう。
「お誕生日なんだから、仕事よりも家族との時間を大事にしなさい」って神様に言われたような気がしました。
それでお家に帰ったあと、「野菜買ったから大丈夫だよ。」とパパに連絡を入れて、むーたんをお風呂に入れてあげることにしました。素敵な誕生日プレゼントをくれたむーたんに、お返しをしたいと思ったからです。
お風呂が大好きなむーたんは、あたたかいシャワーに自ら突入して大はしゃぎ。あたたかいドライヤーの風に当たって、気持ちよさそうにしてました。そしてその後、うとうとしているフワフワのむーたんをお膝に乗せて、私は少しだけ仕事をしました。
やがてパパが帰ってきたので、私は今日の不思議な出来事をパパに全部話しました。パパも目を丸くして、「むーたんが買い物に連れて行ってくれたんだね。」と感動していました。
それから美味しいしゃぶしゃぶを食べて(むーたんもこの日は特別に黒毛和牛のもも肉でしゃぶしゃぶをしました✨)、パパが買ってきてくれたいちごケーキを食べて、最後に家族みんなでたまごちゃんで大はしゃぎをして遊びました。
こうして私の人生最高のお誕生日は終わりを告げたのでした。