夕暮れ時のお散歩

いつものお散歩コースになっているお寺の境内は、日中、近くの幼稚園の子どもが集まって、それは賑やかになります。藤棚の下でおやつを食べたり、境内の中で走り回ったり、建物の隙間や大きな木の間に隠れてみたり、とても楽しげです。

 

 

 

冬の間は暖かいうちにお散歩に行きたかったので、むーたんを連れて境内に行くのはいつも日中でした。

幸いなことに、むーたんは子どもが好きなので、寄ってくる子どもたちを興味深げに見つめたり、みんなのあとにくっついて歩いたりして、ちびっ子とチビチビむーたんの可愛い共演を楽しむことができました。

 

 

 

 

そのうち日が長くなって、穏やかな気候になってくると、日が傾いても暖かいので、夕暮れ時のお散歩を楽しめるようになりました。太陽が空の上の方で輝いて、元気いっぱいの子どもたちがいる日中のお散歩も好きですが、私が一番好きなのは夕暮れ時のお散歩です。

 

 

 

太陽が沈み、辺りが暗くなる前の時間は、空気が薄紫色になって、とても幻想的な世界になります。子どもたちはみんなお家に帰り、静まり返った境内の中で聞こえるのは、風に揺られる葉っぱの音と様々な鳥の声、それからむーたんの小さな息づかい。

すんすんすん、という可愛い音を聞きながら、薄紫色の世界を二人で散策します。

 

 

 

太陽の下では限りなく白に近い桜の花も、夕暮れ時になると表情を変え、淡いピンク色をした綿のように見えます。境内の桜は今4分咲き程度。たくさん花をつけている木もあれば、ほとんど咲いていない木もあり、その間をむーたんと一緒に歩きます。

 

 

 

 

あっちへ行ったり、こっちへ来たり。

リードは私が持っていますが、進む方向はむーたんが決めます。

 

 

 

 

 

気の向くまま進んでいくむーたんに着いていくと、ぷっくり膨らんだフジのつぼみや、開きはじめたもみじの葉、1つだけ花をつけた桜の木に出会ったり、キレイな色の鳥や、巣の材料になる木の枝を上手に剪定するカラスを見つけたりします。

 

 

 

 

むーたんに行く先を決めてもらった方が、思いがけない発見があるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

むーたんと二人っきりの、ゆったりとした時間が流れる夕暮れ時のお散歩。お散歩の楽しみを知っているからこそ味わえる、幸せな時間です✨