虹の橋のおはなし

今回のテーマは愛犬とのお別れについて。少し悲しいテーマになりますので、苦手な方はお控えください。ちなみに、今のところ我が家のむーたんも実家のこうちゃんもすこぶる元気ですので、あのふたりのことはご心配なく^^

大切な家族の一員だから

心に穴があくのは当然

私はペットロスという言葉があまり好きではありません。私にとってはこうちゃんもむーたんも大事な家族だから、ペットっていう枠でくくりたくないし、ロスという言葉の響きもなんだか冷たい感じがするのです。親が亡くなったとき、お父さんロス・お母さんロスなんて言わないし、悲しみに暮れるのは普通のこと。愛犬がいなくなって心にポッカリ穴があくことも至って普通のことなのに、それをペットロスという言葉で括られるのは、どうにもいやな感じがします。

現実を見ないようにしていた私

愛犬むーたんがまだ1歳くらいの頃、私はいつかお別れが来るという現実を全く受け入れられないでいました。むーたんパパから「むーたんはいつかいなくなるんだよ。」という話をされるだけで涙がボロボロ出てきたし、犬とのお別れをテーマにした映画や本はなるべく避けるようにしていました。獣医師をやっている友人から、「現実にちゃんと向き合わないと、本当にペットロスがひどくなるよ。」と言われても、「むーたんは死なないから大丈夫。」なんて言って、現実に向き合わないでいました。

だけどお別れは本当にやってくるから

来年でむーたんは5歳になります。本当にあっという間です。実家で暮らしているこうちゃんはもうおばあちゃんで、昔のように元気よく遊ぶことは少なくなりました。そうなると私もそろそろ現実に向き合わなければなりません。私にとってふたりはとっても大きな存在で、もしかすると人間の家族以上に多くのことを教えてくれました。だから『正しい順番』で書いたように、お別れの悲しみをふたりに背負わせるくらいなら、私が責任を持ってふたりを見送って、私が悲しい思いをするのでいいんだ、それが正しい順番なんだ、なんて考えたりして、自分なりに折り合いをつけていました。

犬は死んだらどこに行く?

私は前職でペット系メディアを運営していて、愛犬とのお別れについていろいろ調べたことがありました。そのとき、愛した動物とお別れした人の心を癒す名作として、世界中で愛されている「虹の橋」という詩と出会うことができたのです。原作は英語で書かれているので、ここではどんなことが書かれているのかご紹介したいと思います。

犬は死んだら虹の橋のふもとへ

こうちゃんやむーたんは寿命を迎えると、虹の橋のふもとへ行きます。虹の橋は天国の少し手前にあります。そこは暖かくて、緑がいっぱいで、他のお友達もたくさんいて、みんなで仲良く走り回って遊びます。食べるものも水もきちんとあって、病気に苦しんでいた子も年をとって体が動かなくなっていた子も、みんな元気いっぱいの姿に戻って幸せに暮らすのです。

虹の橋のふもとでは、みんな満ち足りた気分で過ごすことができます。ただ一つ気がかりなのは、大好きだった飼い主さんがそこにいないこと。

虹の橋を渡るときは…

ある日、みんなで楽しく遊んでいると、そのうちの一匹がふと立ち止まります。遠くを見つめるその子の瞳はキラキラと輝き、体は喜びに震え出します。突然、その子はお友達を後にして、緑の草原を飛ぶようにかけていきました。

はやく!はやく!いそげ!いそげ!!

その子はついにあなたを見つけたのです。

虹の橋で再会したふたりは抱き合います。もう二度と離れることはありません。あなたは懐かしいキスの嵐に合い、お返しに愛犬の頭を思いっきりなで返します。そして愛犬のキラキラした瞳を、じっと見つめ返します。お別れした時から片時も忘れることのなかった愛しい瞳を…。

やがてふたりは一緒に虹の橋を渡って行くのでした。

愛犬とのお別れ

私はまだ愛犬を看取った経験がありません。それがどのくらい辛いものなのか、想像するだけでも心が張り裂けそうです。つい目で追いかけてしまう相手がいなくなってしまったら…。大好きな匂いをクンクンすることができなくなってしまったら…。ちょっと離れるだけで寂しくなるのに、二度と会えなくなると思ったら…。

でも、こうちゃんとむーたんがいなくなってしまっても、ふたりは虹の橋のふもとできっと私のことを待っててくれるはずです。(もしかしたらこうちゃんは私の母が死んだときに、一緒に虹の橋を渡ってしまうかもしれないけど、それでこうちゃんと母が幸せなら、それはそれでよしとします。)ふたりがお空へ旅立ってしまっても、二度と会えなくなるわけではありません。私が自分の人生をきちんと謳歌して、命を全うすることができたら、きっとまたいつかふたりに会えます。

正直、私は家族に白い目で見られるくらい信仰心がなくて、あまり死後の世界とかは考えたことなかったのですが、虹の橋のお話だけは信じることにしました。

最後に

私は普段から、あまり気の利いたことを言えません。先日も、大好きな愛犬とお別れしたことを打ち明けてくれた人に対して、なんて声をかけたらいいのか全然わかりませんでした。だけど、愛犬とお別れして心を痛めている人がいたら教えてあげたいです。あなたのことが大好きだった愛犬は、まだ虹の橋を渡っていないことを。虹の橋のふもとで、ずっとあなたのことを待ってくれていることを。そしていつの日か、必ずまた会えるということを。