これはまだ梅雨が明ける前に、むーたんとパパと三人でお散歩に出かけた時のお話です。
むーたんは雨が降っていても気にせずお散歩を楽しめる子なので、私は梅雨でも毎日のようにお散歩に出かけていました。一方、パパはそもそもお散歩出席率が高くない上に、とにかく汚れるのが嫌いな人なので、今まで雨の日のお散歩についてきたことはありませんでした。
でも、その日はどういう風の吹き回しか、珍しくパパも一緒についてきたのです。
霧のような雨が降っていてもむーたんはお構いなし。
楽しそうにあっちをクンクン、こっちをクンクンしながら人通りの少ない道を進んでいきます。
そんなむーたんの様子を見たパパは、「むーたんは雨が全く気にならないんだねぇ。」と驚いていました。「すごいテケテケ進んでるよ!」とも言っていました。
もこもこした足で歩く様子も可愛いのですが、濡れて細くなったかりんこりんな足でテクテク歩く様子もまた可愛いのです。
ふふふ、わかったか。雨の日ならではのむーたんの魅力。
私は毎日こんなに可愛いむーたんとお散歩してるんだぞ。
ちょっぴり優越感にひたる私 ← いつものやつ(笑)
みんなで雨の日のお散歩を満喫して、無事マンションの前に到着。
パパとむーたんは先にマンションの中に入っていきました。私はむーたんの💩をゴミ捨て場に持って行ってから、ふたりの後を追いかけます。
ふとマンションの入り口を見ると、乾いた地面の上に小さな肉球の跡がてんてんっと残っていました。それがスタンプのようにエントランスまで続いているのです。
むーたんが歩いた場所がひと目でわかります。
「ふふっ、足跡があるだけなのになんでこんなに可愛いんだろう♡」
そう思ってほっこりしてから、私は少し冷静になりました。
「いやいや、ただの足跡でこんなニヤニヤするとかやばいよ。これ、人には言えないやつだ…。」
この気持ちは心の中に留めておこう。
そう思ってエントランスホール待っているパパとむーたんに合流すると・・・
「外のむーたんの足跡見た?」
パパからまさかの問いかけでした。
「すごいかわいくなかった?」
やっぱりーーー?!
可愛かった!すごい可愛かった♡
足跡だけでキュンキュンしてたら変な人って思われそうで言わないでおこうって思ったけど、すごい可愛かった♡♡♡
単にパパが私並みに親バカだったということなのかもしれませんが、こうして私は胸のうちに留めておくつもりだったときめきを、他人と一緒に共有することができたのでした✨