パパにおかえり

仕事が忙しいパパの帰りは遅いので、むーたんはいっつも待ちぼうけ。しかもパパは異常に綺麗好きなため、帰ってくるとまず時計を外してピカピカに磨き、指輪もきれいに磨いてからケースにしまい、スーツをきちんとクローゼットにかけた後に一度念入りに手を洗い、パジャマに着替えてからもう一度丹精込めて手を洗います。

むーたんがおかえりをできるのは、パパの帰宅の儀式が一通り終わってからなのです。

 

 

 

 

パパが帰宅の儀式をしている間、むーたんはパパにただいまの挨拶をしてほしくて、じーっといい子で待っています。その姿があまりに健気で可愛いので、もうちょっと早めにおかえりをさせてあげるべく、パパが帰ってきたらむーたんを連れて、玄関の外までお出迎えしてあげることにしました。

 

 

 

 

私たちの住んでいるマンションはオートロックがついているので、おうちに入るにはエントランスのロックを解除し、それから部屋の鍵を開ける必要があるのですが、パパはめんどくさがっていつもエントランスでインターホンを鳴らします。

1日が終わってうとうとしているむーたんは、深夜のインターホンにびっくり!

若干寝癖のついた状態で玄関の見える場所まで飛び出します。

 

 

 

 

「むーたん、パパだよ。」

そう教えてあげても全然聞き入れてくれません。

ウォルフォルウォルフルルルウォウ!

本人は勇ましく吠えているつもりですが、寝起きのせいか声が裏返る確率は高めです (笑)

 

 

 

「もー、パパだってば。」

そう言って私がしゃがむと、ダッシュで駆け寄ってきてお膝の上にピョーン!

そして腕の中にすっぽりとおさまります。

すごい偉そう・・・笑

 

 

 

むーたんを抱っこしたまま玄関の扉を開け、エレベーターホールの方へ向かうと、むーたんは私の腕の中でまっすぐにお耳を立てて、真剣な顔でエレベーターの方を見つめています。

階数を表示している電光掲示板が動き始めると、むーたんのお耳は一度ぱたっと後ろに倒れ、そしてエレベーターの音を聞き逃さないように、再びピンと立ちます。

 

 

 

エレベーターの扉が開きはじめると、むーたんのお耳はぱたぱたぱたぱた…。

どこかへ飛んで行ってしまいそうなほど、パタパタします。

そして扉が開いて中からパパが姿を現すと、むーたんのお耳はぺたーんと後ろに倒れ、カワウソちゃんと化すのでした^^

そしてマンションの廊下で大好きなパパに思う存分おかえりをしてから、一緒にお家に帰るのでした♡