飼い主が新型コロナにかかってしまったら、愛犬はどうなる?

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの方が不安な気持ちで暮らしていることと思います。自分が感染してしまったとき、愛犬のお世話をどうしたらいいのかお悩みの飼い主さんは多いでしょう。そこで今回は、ペットにまつわる新型コロナウイルスの情報をまとめてみました!ぜひ参考にしてください。

飼い主さんが新型コロナに感染すると…

新型コロナウイルスに感染してしまったら、感染を広めないために人との接触を避けることが何よりも大切ですよね。そのため、感染した人および感染者と濃厚接触をした人は、入院や自宅待機(外出禁止)という措置が取られるわけですが、もし犬と一緒に暮らしている人がそうなってしまったら、その犬はどうなってしまうのでしょうか?

犬にも感染する?

東京都獣医師会によると、世界ではペットへの感染事例がいくつか確認されています。2020年4月5日時点では、香港で犬2匹、猫1匹、ベルギーで猫1匹から新型コロナウイルスが見つかりました。ベルギーの猫では、一時的に下痢、嘔吐、呼吸症状などが見られたそうです。こういった事例を受けて、日本獣医師会は「感染サイクルの主体は人であるものの、 感染者と濃厚接触のあったペット動物への感染は否定できない」という見解を出しました。(参照データ:日本獣医師会

犬が新型コロナに感染したらどうなる?

人からペットへの感染は今のところ世界で4例しか見つかっていませんし、感染した犬に症状が現れたケースは今のところありません。しかし、もしあなたが新型コロナウイルスに感染してしまったら、一緒に住んでいる愛犬も感染する可能性があることは覚えておきましょう。そして感染が疑われる犬に、下痢や嘔吐、呼吸症状、発熱などの症状が現れた場合には、かかりつけの動物病院に電話で相談をした上で、国立感染症研究所獣医科学部にも問い合わせをしましょう。

国立感染研究所獣医科学部の問い合わせ先

犬の体にはウイルスが付着している

飼い主さんが新型コロナウイルスに感染してしまったら、家の中はウイルスまみれになっています。ドアノブや家具だけでなく、一緒に暮らしている犬の体にも多くのウイルスが付着していると考えた方がいいでしょう。

アメリカ獣医師会によると、飼い主さんのくしゃみや咳で飛び散ったウイルスが犬の毛に付着しても、被毛の中にウイルスが閉じ込められて感染しにくくなるというデータもありますが、もし愛犬を人に預けることになったら、細心の注意を払う必要があります。(参照データ:東京都獣医師会

愛犬のお世話はどうしたらいい?

新型コロナウイルスの震源地となった中国の武漢では、悲しいことに、避難した飼い主さんに置き去りにされた多くの犬猫たちが命の危険に晒されています(参照データ:CNN co.jp)。そんなことにならないよう、私たちも今のうちからきちんと考えておきたいですよね。

飼い主さんがお世話できなくなる可能性

飼い主さんが入院することになったら、当然愛犬を一緒に連れていくことはできないので、入院前に誰かに預けておく必要があります。また、軽症で自宅待機することが可能だったとしても、外出禁止なわけですから愛犬をお散歩に連れていくことはできません。お外でしかトイレができない犬の場合、飼い主さんが自力でお世話をすることは難しくなりますし、そもそも新型コロナウイルスは軽症でも高熱が続き、宅配便を受け取ることすら辛いほど、体がだるいケースもあるようです(実際に感染した知人の話です)。

どうしても自分でお世話をすることが難しい場合には、人に頼らないといけないですよね。しかし、愛犬を預けるときに他人にウイルスをうつしてしまう恐れがあるので、どうやって預けるべきかは事前にしっかり考えておく必要があります。

人に預けるときはどうすべき?

厚生労働省によると、ペットから人間への感染リスクはないと言われています。また、日本臨床獣医学フォーラムによると、頼れる同居家族のいない飼い主さんが入院しなければならなくなったときは、ペットシッターを頼むか、かかりつけの動物病院に電話で相談することが推奨されています。とはいえ前述した通り、感染者が暮らしているお家の中や一緒に暮らしている犬の体の表面には多くのウイルスが存在しています。ペットシッターに断られたり、動物病院で対応してもらえないこともあるでしょう。

預ける時の流れ

そうなると、親族や友人などの知人に愛犬を預かってもらうことになると思います。東京都獣医師会が犬を人に預けるときの注意点をまとめているので、その内容をもとに愛犬を引き渡すまでの流れを記載しておきますね。

(※新型コロナに感染した飼い主さんを「飼い主」、犬を預かってくれる知人を「Aさん」とします。)

  1. 飼い主宅に行くにあたり、Aさんはゴミ袋などのいれもの、犬を入れるキャリーケースを準備します。
  2. Aさんはメガネ・マスク・ガウン・帽子などの防御衣類を身につけてから、飼い主の家の中へ入ります。
  3. キャリーケースに犬を入れたらすぐに飼い主宅を出ましょう。(Aさんが準備できない場合は、飼い主側で用意したキャリーケースを消毒して使います。)
  4. Aさんは飼い主宅から出たら、すぐに身につけていた防御衣類をゴミ袋などに入れて廃棄しましょう。もしくは持ち帰って洗濯します。
  5. 犬の体の表面に付着しているウイルスを落とすため、Aさんは帰宅後すぐに預かった犬をシャンプーしてください。(シャンプーをすれば体についたウイルスはやっつけることができます。)
  6. 預かった犬は念のため14日間隔離するのが望ましいとされています。

詳細はこちらのページで確認できます。

どんな人に頼めばいい?

連れ帰った後に犬のシャンプーをしなくてはならないことを考えると、犬と暮らしたことのない人に頼むのは難しそうですよね。また、重症化しやすいと言われている人(高齢者や基礎疾患がある人)に頼むのもやめた方がいいと思います。我が家の場合は頼れる親族がみんな高齢で基礎疾患もあるので、もし私とパパどちらも入院必須となってしまったら、おそらく犬友達にお願いすることになると思います。

アニコムが「#StayAnicom」プロジェクトを始動!

(画像:Twitter / @anicom_inc

SNSなどで飼い主さんたちの意見を見ていると「愛犬のためにも感染しないように予防するしかない。」「仮に感染しても自宅待機で頑張るしかない。」という声が上がっていて、多くの方が悩んでいることが伝わってきました。実際、私たちも預け先のイメージが沸かなかったので、最悪の事態に備えて巨大な自動給餌器を購入したところです。

そんな中、ペット保険で有名なアニコムホールディングスが素敵な取り組みをされているので、ここでご紹介させて頂きます。

どんなサービスなの?

飼い主さんが新型コロナウイルスに感染し、施設での隔離生活や入院生活を余儀なくされたとき、アニコムの所有している施設で大切なペットを預かってくれるというサービスです。アニコムの保険に加入していなくても、持病のあるペットでも、無償で預かってくれるそう。預かり期間中はアニコム獣医師を中心に、動物好きのスタッフさんがきちんとお世話をしてくれるんですって!サービス詳細については、こちらから確認できます。

申込方法について

ペットの預かりを希望する場合は、「#StayAnicomプロジェクト ペットお預かり希望者用フォーム」に必要事項を記入します。情報は随時Twitterで更新されるので、まずはアニコムのTwitterアカウントをフォローしてください。

▼アニコムのアカウントはこちら

尚、こちらのプロジェクトに関するお問い合わせは受け付けていないとのこと。アニコムの獣医さんもスタッフさんも無償で対応してくださっています。必要な人がきちんとこのサービスを受けられるよう、感染していないのに申し込みをしたり、問い合わせの電話をしたりするのはやめましょう。

最後に

世界が混乱している今、行政の方や医療従事者だけでなく、様々な企業も新型コロナウイルスのための対策を全力で進めてくれています。とはいえ、この先対応が追いつかなくなるケースもきっと出てくるはず。そんなケースを少しでも減らせるように、我が家もむーたんの癒しパワーを借りてステイホームがんばります!みなさんもどうぞご自愛くださいね。