ベッドの下からの援護射撃

パパを職場まで送り届けてから、お家に帰ってポストを見てみると、火災報知器の点検のお知らせが入っていました。今住んでいるマンションでは定期的に点検があり、今までも何度か点検業者の方がお家に来られていました。今年もこの時期がやってきたのですね…

 

 

 

 

むーたんはとてもおとなしい子で、お外に出ると何があっても一切吠えません。主張したいことがある時は、今にも消え入りそうな声で「ピィ」と言います。どこかにひよこでもいるのかな?と思うほど、とってもか弱い声を出します。

 

 

しかし、いくらおとなしいむーたんでも、自分の大事なお家を侵略されそうになったら黙っていられません!

インターホンが鳴ると、勇ましく吠えながら敵を威嚇し、お姉ちゃんを呼びに行きます。

だれかきた!おねえちゃん、はやく!!!だれかきたよ!

 

 

お姉ちゃんのすごいところは、むーたんほどやる気がなさそうなのにも関わらず、だいたい玄関先で侵入者を撃退できること。むーたんはお姉ちゃんの後ろにくっついて、敵がすり抜けて侵入しないように見張っていればOKです。相手を刺激するといけないので、ドアが開いてからは吠えませんが、目は鋭く敵を監視しています。

 

 

でもたまに、お姉ちゃんのガードをすり抜けて、むーたんのお家へ侵入してくる人間がいます。換気扇修理のおじさんと、消火器点検のおじさんです。

おじさんたちが家の中へ入ろうとすると、むーたんは火が着いたように怒ります。

ウォルフフフルルルウォフ!!!

普段吠え慣れていないせいか声が裏返り、全然威嚇になりません・・・。

でもだからと言って引くわけにはいきません!

 

 

 

「ふふふ、可愛いですねぇ。」なんて言いながら、おじさんたちは家の中へ入ってきます。

換気扇のおじさんはまだいいんです。

何をしているのかよくわからないけど、長い間キッチンから出て来ないし、武器も持っていないのでなんとかなりそうです。しかも滞在時間が長いので、時間の経過とともに危険人物ではないということもわかります。

 

 

 

でも、報知器点検のおじさんはダメです!

長い棒のような武器を持ってむーたんのお部屋の中をウロウロするなんて・・・!!!

こんなこと絶対に許すわけにはいきません。

お姉ちゃんがおじさんに何か言っています。きっと出て行くように伝えているはず。こうなったらむーたんも援護射撃するしかありません!

 

 

 

 

今はもう潰してしまったのですが、以前はベッドの下にある空間がむーたんの避難スペースになっていました。ベッドの枕元に火災報知器があったので、そちらをチェックしてもらっていたところ・・・

 

 

 

 

わんわんわんわんっ!!

 

 

 

 

むーたんがベッドの下から飛び出してきました。

ちょっと驚いた業者の方がむーたんを見ると、むーたんは急いでベッドの下に潜ります。

でもすぐにテチテチテチという足音が聞こえ、今度はベッドの足元から飛び出して吠え立てます。

 

 

 

 

わんわんわんわんわんっ!!

 

 

 

 

「むーたん!ちょっと、こっち来て大人しくしてなさい!!」

私がむーたんを抱き上げようと近づくと、むーたんは再びベッドの下へ潜ります。

 

 

テチテチテチ・・・

わんわんわんわんわんっ!

テチテチテチテチ・・・

わんわんわんわんわんっ!

ベッドの下をなんども行き来して、ひょこっと顔だけ出して吠え、またすぐ潜って移動します。

映画の中のガンファイトみたい・・・(^^;

 

 

 

 

点検業者の方は素早くチェックを終えると、「終わりました。」と言って帰っていきました。

むーたんはドアが閉まるのを見届けて、フンッ!と息を吐くと、テテテテテッと私の後を追いかけてきて、ソファーの上にダイブ!ソファーをガリガリ、私にスリスリ、空をケリケリ。

むーたんがやっつけた!むーたんがおいはらった!むーたん、すごいがんばった!おねえちゃん、ほめて〜♡

 

 

 

 

本当は、「もう、次からはやめてよね。」と言いたいところなのですが、あまりにも鼻高々なむーたんを見ていると、つい「追い払ったの、すごかったねー!」なんて言ってしまいます・・・。前回は点検業者の方が犬好きだったからよかったものの、犬嫌いな人だったら申し訳ないので、今度はむーたんをちゃんと抱っこしてから、点検してもらおうと思います。