この世から最低な飼い主は絶対にいなくならない

世の中にはたくさんの飼い主さんがいて、それぞれ色んな事情や考えがあって愛犬と向き合っているので、基本的には飼い主さんと愛犬の関係性について、他人がとやかく言うようなことではないと思っています。ただ全く理解できないのが、犬を捨てることに抵抗のない飼い主たちです。

犬を捨てる様々な理由

やむを得ない事情がある場合

飼い主さんは犬を迎えたら必ず最後まで責任を持ちましょう、という言葉はよく聞きますよね。犬の終生飼養については、平成24年に改正された動物愛護法にも明記されています。もちろんそうあるべきだと思いますが、中には複雑な事情から愛犬を手放さなければならなくなるケースもあるようです。

例えば、生まれた子どもが重度の犬アレルギーになってしまったり、飼い主さん自身が重い病気にかかってしまって愛犬の面倒を見れなくなったりすると、一緒に暮らし続けることは難しくなるでしょう。また、家族に対して犬が激しい攻撃行動を取るになった場合も、難しい判断をせまられる状況なのではないかと思います。

全く意味がわからない理由

本当は手放したくないと思っていても、お別れせざるを得ない状況があることは理解できます。しかし、実際に犬を手放す飼い主たち全員に止むを得ない事情があるかというと、決してそういうわけではありません。

私も本を読んでびっくりしたのですが、犬を手放す理由で非常に多いのが「飼い主の引っ越し」なのだそうです。新しい引っ越し先がペットNGだからもう飼えない、ということらしいのですが、なぜペット可の物件を選ばないのか、全く意味がわかりません。単に飽きたということなのでしょうか…。

そして犬が病気になったから、犬が年を取ったから、という理由で手放す飼い主もいるそうです。これも本当によくわかりません。苦しむ愛犬を見たくない、という考えもあるようですが、長い間自分に愛情を注いでくれたはずの愛犬を見捨てるなんて…。残念ですが、こういう理不尽な理由で飼育放棄されている犬も、世の中にはたくさんいるのです。

偶然見つけてしまった最低の飼い主

きっかけは保護犬サイト

先日、保護犬サイトを見ていたら、むーたんによく似たワンちゃんが新しい飼い主さんを探していました。2018年7月に起きた岡山の豪雨によって避難生活を余儀なくされた前の飼い主さんが、泣く泣く手放すことを決めたというのです。その子は13歳の高齢犬でした。長年一緒に暮らしてきた飼い主さんとお別れするなんて、どんなに辛いことでしょう。ずっと一緒に多くの時間を過ごしてきた愛犬を手放すなんて、どれほど苦しいことでしょう。

むーたんとお別れするのはどんな時?

私たちにとってむーたんはかけがえのない存在です。むーたんが生きている限り、どんなことがあっても、私たちは絶対に離れ離れになることはないと思っています。ただ、その保護犬の子を見つけた時、私はふと不安な気持ちに襲われました。

もしも大きな災害に遭って、住む場所を失い、食べる物がなくなったとしても、私たちはむーたんを手放すつもりはありません。でももしかしたら、本当にやむを得ない事情で、むーたんを手放さなければならない状況に陥るかもしれません。一体どんな状況になったら、むーたんを手放さなければならなくなるのでしょうか。そんな状況を回避するためにも、今から何か準備できることはないのでしょうか。

不安になった私は、「災害 犬 手放す」というキーワードでネットを検索してみました。

犬を手放す人たちの主張

残念なことに、ネットを検索しても調べたい情報は出てきませんでした。代わりに、犬を手放す人の主張がたくさん出てきたのです。そこで私は、衝撃的な事実を知ることになりました。

まず出てきたのは、犬の体が思っていたよりも大きくなったから手放したいという人の主張でした。ペットショップで迎えたとき、1.5kgを超えることはないと店員さんが言っていたのに、育ててみたら3kgになったのが許せないんだそうです。大人しくていい子だから、きっと次の飼い主さんもすぐ見つかるはず、と書かれてありました。そして次こそは、信頼できるところから1.5kgまでにしかならない犬を迎える予定で、お迎えする子はもう決まっている、というのです。

また、引っ越しをするから犬を手放したい、という人もいました。すごく家族に懐いている子なので、次の飼い主さんと上手くやっていけるかどうか心配です、というような内容が書かれてありました。それから、過去にやむを得ない事情から手放した2匹と比べても、3匹目の子は特に心配です、とも書かれてありました。

私は今まで、無責任に犬を手放す飼い主たちは、犬のことが好きではなくなったから手放すのだろうと思っていました。好きではなくなって手放しているのだから、新しい犬を迎えたりするはずがないと思っていたのです。しかし飼育放棄をしておきながら、新しい犬を迎えることに全く抵抗がない人も世の中にはいました。何度も飼育放棄を繰り返す人もいたのです。

こういう飼い主は絶対にいなくならない

人間の都合で捨てられる犬たち

残念なことではありますが、こういう飼い主は必ず一定数います。世の中から殺人や幼児虐待、女性への暴行がなくならないのと同じように、動物に対して心ないことをする人は絶対にいなくなりません。きっと普通の人とは感性や価値観が大きくかけ離れているのでしょう。

思っていたより大きくなってしまった、しつけがうまくできなかった、ミックスの子犬を迎えたら成長後に思っていたような見た目にならなかった…。何も悪いことはしていないのに、ある日突然飼い主から捨てられてしまった犬たちを救うためにできることは、二つあると思います。そういう人間に犬を渡さないことと、捨てられてしまった犬たちにセカンドチャンスを与えてあげることです。

お金さえあれば犬を買えてしまうペットショップ

日本で犬を飼いたいと思った時、多くの方がペットショップを訪れるでしょう。しかしペットショップで得られる情報は、血統書というブランドの有無、流行している犬種かどうか(今はミックス)、そして見た目の可愛さだけです。自分の性格やライフスタイルと相性のいい子を探す場所ではありません。見た目だけで判断して購入するから、迎えた後で理想とギャップが生じて飼育放棄に繋がるのです。

お店側も飼い主さんになるお客さんが、どんな人でどういう暮らしをしているのか、知らないまま犬を引き渡します。犬を大切にしてくれなそうなお客さんが現れたときに、引き渡しを断るペットショップが一体どれほどあるでしょう?全てのペットショップが悪だとは思いませんが、より犬に優しく、健全なペットショップのあり方を模索すべきだと思います。

次にお迎えする子は保護犬

むーたんを迎えるまで、私はペットに関してほとんど知識がありませんでした。そのため何も考えず、ペットショップで出会ったむーたんをお迎えしました。むーたんとの出会いには心から感謝しています。でも次に犬を迎えるなら、私は保護犬をお迎えしたいと思います。

これもむーたんと出会ってから知ったのですが、保護犬の中にはマンションで飼えるような小型犬や、心ない飼い主に捨てられた純血種、悪質ブリーダーから保護された子犬もたくさんいます。むーたんに日々たくさんの幸せをもらっているからこそ、最初の飼い主に恵まれなかった犬たちに少しでもその幸せを返せたらと思っています。

最後に

この世から残酷な飼い主を減らすことは難しいと思いますが、可哀相な犬たちを減らせることはできるはず。皆さんも犬を迎えたいと思ったら、ぜひ譲渡会に足を運んでみてください。1人ひとりが選択肢の一つに保護犬を加えることだけで、きっと幸せになれる犬が増えていくと思うのです。