犬と一緒に暮らしたことがない人へ

私は小さな頃から動物が大好きで、犬と一緒に暮らすことに対して強い憧れがありました。でも、どんなに犬のことが好きでも、実際に一緒に暮らしてみなければ、わからないこともたくさんあります。そこで今回は、むーたんを迎えたあとに気付いた飼い主ならではの視点をご紹介したいと思います。

煙草はせめて火を消して

火の付いた煙草

むーたんと初めてお散歩した時に感じたのは、道端には思っている以上に煙草の吸い殻が落ちているということです。特にむーたんが好んで立ち止まる、街路樹の根元や道路近くの空き地、電柱の脇などには必ずと言っていいほど煙草の吸い殻が落ちています。犬はなんでも口に入れようとするので、もしむーたんが誤って食べてしまったら大変!お散歩の練習をする中で、「煙草は食べたらだめ」ということを徹底して教えました。

幸い、むーたんはトレーニングがうまくいき、煙草の吸い殻への興味は徐々になくなっていきました。それでもたまに、煙草のせいで怪我をしそうになることがあります。それは、煙草の火がついたままになっている時。

むーたんが歩きたいと思う場所には、たくさんの吸い殻が落ちています。落ちている吸い殻を踏みながら電柱をクンクンしたりすることもしばしば。私も昔喫煙者だったのでわかるのですが、煙草って火の部分にかなり近づいてもあまり熱さを感じないんですよね。なので、おそらくむーたんも気付かないのでしょう。今まで2〜3回ほど、火のついた煙草を踏みそうになったことがありました。もしむーたんが燃えた煙草を踏んでしまったら、肉球を火傷してしまいます。

なので、煙草を吸った時は必ず吸い殻を灰皿へ捨てること、どうしてもポイ捨てするなら、せめて火をきちんと消してからポイ捨てすることを徹底してほしいと思います。

食べ物を道端に捨てないで

あと、お散歩デビューしてみて気付いたのは、都内には驚くほど食べ物が落ちているということです。チキンナゲットの骨やビスケットのカケラ、コンビニの冷やし中華や丸かじりした後のリンゴの芯など、「なんでこんなものが…。」と思うようなものまで落ちています。

実際にむーたんを迎えるまで私も知らなかったのですが、私たち人間が食べているものの中には、犬にとって危険なものが数多く存在しているのです。例えばチョコレートや玉ねぎ、人間用の薬、キシリトールなど。特にキシリトールやブラックチョコレートは、犬が間違えて口にしてしまうと、少量でも命に関わるような大事件に発展することがあります。

当然、家の中ではむーたんの手の届くところにそういったものを置かないようにはしているのですが、街中の至るところに食べ物が落ちているので、お散歩中はとても気を使います。一度、近所の公園でチョコチップクッキーが落ちていて、もう少しのところでむーたんが食べてしまいそうになったこともありました。その公園は保育園の子ども達がよく利用する場所なので、子どものおやつに持ってきていたものだったのでしょうね。

チョコチップクッキー

また、友達の家にいる黒柴ちゃんは、落ちていたチキンナゲットの骨をバリバリ噛み砕いて飲み込み、骨が内臓に刺さって緊急手術をしたと聞きました。むーたんも草むらをふんふんやっていて、怪しんでリードを引っ張ってみたら、大きな肉の骨をくわえていたことがあったのです。むーたんには大きすぎて、噛むことも飲み込むこともできなかったので、急いで取り上げましたが・・・。

「落としちゃった。まぁいいか。」という軽い気持ちで放置していると、もしかしたらそれを見つけた犬が誤飲し、最悪の場合命を落とすような事態になってしまうかもしれません。外で食べ物を落としてしまった場合は、必ず拾ってもらえると私たち飼い主も安心してお散歩ができるようになります。

犬を触るときに注意すること

お散歩で外を歩いている時、「可愛いワンちゃんですね。」と声をかけて頂くことがあります。たまに、「触ってもいいですか?」と言ってくださる方もいます。そんな時、犬の扱いに慣れている相手だと、安心して撫でてもらうことができます。

(むーたんはビビリなので、基本的には触らせてくれないのですが・・・涙)

一方、犬とのコミュニケーションをよく知らない、特に小さな子どもは、「わぁ!可愛い!」と走ってきて、上から手を伸ばそうとします。これは犬にとってはとても怖い行為なのです。

私の実家に住んでいるヨーキーのこうちゃんは、近所の男の子に執拗にこれをやられてからというもの、子どもが大の苦手になってしまいました。私も小学生の時に、おばあちゃんの家の裏に住んでいた雑種の子にこれをやって、思いっきり手を噛まれたことがあります。

なので、特に小さなお子さんには、親御さんが正しい犬とのコミュニケーションの方法を教えてあげてほしいと思います。

  • まず、飼い主に「触ってもいいですか?」と声をかけます。(中には人間が嫌いな子や攻撃的な子もいるので)
  • 「いいですよ」と言われたら静かに近づき、しゃがみます。
  • 手のひらを上にして、そっと手を近づけます。
  • 犬がクンクンにおいを嗅いでくるので、その間はじっと待ちましょう。
  • 一通り犬が手のにおいを嗅いで満足したら、頭の上をよしよししてあげます。
  • 鼻先や口周りを触られるのは嫌がる子が多いので、掴んだりしないようにしましょう。
  • 高い声、優しい声で話しかけながら撫でてあげると犬も安心します。

犬の中には怖がりな子や、攻撃的な子もいます。そういう子と暮らしている飼い主さんにとっては、何も知らない子どもが安易に手を伸ばしてくることは、とても怖いことなのです。

まとめ

子どもの頃、私は大きな犬に乗ろうとして、頭を噛まれたこともあります。手を噛まれ、頭を噛まれ、それでも犬が大好きでしたが、犬にとっては本当に迷惑な子どもだったのだと思います(苦笑)。犬のことをきちんと理解してくれる人が増えるだけで、犬たちの住む環境はきっともっと良くなっていくと思うのです。